上海生活3ヶ月まとめ オフショア開発と中国人と日本人

3ヶ月間中国の上海で仕事してきた。元々、ソフトウェア関連業界で働いていたから何度かオフショア開発も経験した。それらの開発は、案の定、迷走し厳しいプロジェクトになった。その時の上司は、賢い人だったので、一つ一つ対策を実施した結果オフショア開発でも炎上しない環境を作り上げることはできた。

しかし、その時ですら、日本側での資料作成作業、受入テスト作業、中国側の優秀なエンジニアのアサインなど、多くのコストアップという犠牲を払っていたため、オフショア開発の目的である金銭的なうまみは、ほとんど出ていない状況になっていた。


それまで中国側の開発現場を生で見たことは無かった。多くのオフショア開発の問題点である品質の低下、認識のズレからくる間違った実装などを、どう理解してよいかわからなかった。

「中国はだめだ」という結論は、安易すぎるし、あまり利口な考えではないというのは感じていた。

その理由というか結論を自分なりに感じることができた今回の上海出張はとても有意義だったし、この出張を提案してくれた社長には感謝している。


中国のシステム開発

中国では、日本からのオフショアだけしかしていない訳ではない。当然、中国の企業のために中国のPM,SE,PGがシステムを構築する仕事も行なわれている。それらのシステムの品質も常に低いのか?というと必ずしもそうではないが、日本的な観点で見ると低い(統計的に話せる程、知っている訳ではないが)

中国で運用しているシステムが止まることも多いが、なんとか小まめに対応して復旧しながら対応している。(根本的な対策ではなく、一時的な対応であることが多いが)


システムが止まってしまっても顧客も日本でよくある程目くじらを立てている様子でもない。要するに、そんな状態でもうまい具合に廻っている。システムが止まってもいいのか?というのはあるんだけど、それを良しとする文化は中国で生活すればわかる。


中国(上海)生活の様子

地下鉄の駅の案内は、モニタがたくさん設置されている。OSはWindows。なんでWindowsとわかるかというと、見なれた赤いバツ印が出ていたりするから。落ちていることも多い。

タクシーにもタッチパネルのモニタが付いていてCMが流れていることがあるが、これもWindows。エラーダイアログが出る音が鳴り続けていたりする。

パソコン関係にとどまらず、地下鉄の拡張は、非常に理解できない方法で拡張が繰替えされている模様だった。

人の流れがなるべく交差しないように考えられることは無く、無計画に作られているように見える。

地下鉄の車両が駅に到着しても、10秒ドアが開かない。ドアが締まっても10秒発車しない。日本の電車に慣れている身にはつらい間だった。

たばこを買おうとしても「没有(ないよ)」と言われることが非常に多い。流通に問題があるというか、店員の品切れに対する危機感がない。

店で通りかかった店員に灰皿を頼んでも、忘れ去られる率が非常に高い。3回頼んでようやく持ってきてもらえるということも。


しかし、彼等個人がみんないい加減な人間かというとそうゆうことではなく、会社で働いている人達と接っしていると、技術力や問題に対する解決策の不適切さは置いといて、明るく真面目に頑張っているのがわかる。街中やタクシーで少し日本語が喋れる中国人と話す機会もすこしあったが、優しいし、親切だった。


奇妙な人種

これらから、感じたことは、彼等の日常は、上のような塩梅ではあるが立派に廻っている。だから、日本人の感覚で全てを見ようとすることこそに、無理があるのではないか?日本人こそが、奇妙な感覚の持ち主なのではないか?という思いだった。


相互理解

オフショア開発は、日本人から見たら奇妙な中国人と中国人から見たら奇妙な日本人が協力して一つのことを成しとげようとする訳だから、相互理解が必要。でも、オフショア開発に関わっている人達が、十分に相互理解ができているとは思えない。普通に日本にいてオフショアをしている会社で働いているだけで相互理解ができる訳がない。中国人の考え方を本当に理解するには、中国語を覚えて、中国人に囲まれて、数年働いて初めて理解ができるんじゃないかと思う。日本人だけでなく、中国人も同じように日本人を理解する必要がある。でも現実的には、そんな経験をしている余裕はないから、難しいねって話になっちゃうんだけど。

これからも、Lang-8(http://lang-8.com/)で中国語を勉強しながら、上海側オフィスと日本側オフィスが連携してできることを模索していきたいと思う。3ヶ月間だけでも、上海で生活できたことは、とても貴重な経験でした。

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